新しい?酒米
農業試験場が現在育種中?の米で、来酒造年度より地元蔵元で醸造して欲しいという米がありまして、その説明会に午後から行ってまいりました。
連合会からこの米での酒造りを希望したのはうちを含めて12蔵元。思ったよりけっこう手を上げたね。
工業技術センターの開発した酵母での試験醸造の4倍の蔵元が手を上げたことになります。米のほうがやりやすいのかね。
話を聞いていると、山田錦よりも穂の高さがやや高いけど、茎が太いので以外と倒伏しないということらしく、また千粒重もけっこうあったようにおもいました。刈り取り時期は10月10日頃(山田錦よりはほんの少し遅いかな)、かなり遅いです。
そうしても山田錦と比べてしまうんですけど、まだまだ山田錦の右に出るものはいないというのが現実。実際に目で見てみた感じは思ったより心白があるねって感じ。これなら見た目はまあまあいいねって思うんですけど・・・。米のやわらかさとか、吸水時間とかは実際にやってみないとわからないってところでしょうか。
この米は「渡船(わたりぶね)」っていいまして、知っている人は知っていると思いますけど、この「渡船」と「山田穂」が交配されて育種された米が、毎度おなじみ「山田錦」なんですね。だから「山田錦」の親にあたるわけです。
茨城県でこの米をいち早く見つけて商品化していた蔵元がありましたね。しかし・・・・・確かこの蔵元、中央会が代位弁済をしていたような記憶が・・・・。
また、現在兵庫県でも栽培されているようです。
しかし、うちの地元の農業試験場が最初に育種した品種なんです。それを地元農協内で「酒米研究会」なるものがあるようで、そこが今年から本格的に栽培をはじめるよう。
あの「山田錦」の親で、現在商品化されているものは実に少ない。そしてこの「渡船」を育種したのが地元の農業試験場。
そしてその地元の蔵元がこの渡船で酒を造る。
物語性は抜群ですね。
ただ、小売店がどれだけ興味を持ってくれるかですね。
それ以上にこの米の価格がどのくらいであるかが一番の問題であるようにも思えます。確かに穂は高いから倒伏の可能性はもちろんあるし、刈り取り時期も遅い。また、あまり病気にも強くないらしいということで、農家にしてはけっこう面倒な品種になるでしょう。
となるといつものことで価格がすごく高くなる傾向が強く、自然、酒の価格も高くなり、話題性で最初は出るかもしれませんが、それからは一般の消費者は手を出さないでしょう。
話題性だけではその商品が買われるのはその話題があるときだけですからね。
だから、ある程度農家にも価格とかでリスクを抱えてもやってやろうという気持ちも大切ですね。
もちろん蔵元も初めての米で酒を造るというリスクを抱えますからね。
しかし、リスクから逃げてしまう農家って思ったよりいるんですね。この「渡船」を栽培する農家さんたちは逃げてしまう農家じゃないことを祈りつつ・・・・です。
酒販店ではすごくいますよ、リスクから逃げてしまっているとこ・・・・・・・・・。
さてうちはどんな規格にして、この「渡船」を仕込もうかねー??
でも多分というか自然にこうなっていくということになりそうだけど・・・・・私をよく知っている人はすぐわかるだろうね。
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